ローンの種類

教育ローンと奨学金で教育資金を賢く準備!重要なのは計画性

教育ローンと奨学金で教育資金を賢く準備!重要なのは計画性

子どもには行きたい学校で好きな勉強をして欲しいと思うのが親心。でもその半面、教育資金の準備に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。教育資金といえば主に学費を思い浮かべがちですが、「塾に行きたい」「遠方の大学に行きたい」となれば、塾代や月々の仕送りも結構大きな金額が必要になります。

さらに、教育資金の準備ではいくら必要なのかということだけでなく、お金が必要になる時期や、借入時期を意識しておくこともとても重要なんです。せっかくお金を準備しても、スケジュールを意識していなければ、入学金や学費の請求が重なって途中で資金不足になってしまうことがあるんですよ。

教育資金の準備方法として教育ローン(学資ローン)と奨学金の特徴や申込条件、賢い申込時期を紹介します。紹介する中には低金利だったり、塾代にも使える教育ローン、さらには返済不要の奨学金もあります。それぞれの違いやメリットを理解して、効率よく教育資金の準備をしましょう。

教育費用は思った以上にかかる!大学在学中の負担額

教育資金の準備が必要だと意識はしているものの、どれくらいの金額を用意しなければならないのかハッキリ答えられる人は少ないのではないでしょうか?教育資金の準備方法を勉強する前に、自分が準備すべき金額を知っておきましょう。

大学4年間で約500~800万円!医学部は家が買える金額!?

大学在学中の4年間でかかる教育費用について、以下のようなデータがあります。

入学費用(※1) 4年間の在学費用(※2) 合計
国立大学 83.2万円 428万円 511.2万円
私立文系 104.3万円 588万円 692.3万円
私立理系 109.9万円 677.6万円 787.5万円

(※1)入学費用:受験費用と入学金、入学しなかった大学への納付金の合計額
(※2)在学費用:大学での授業料と通学費、教科書代の合計額

学費の負担が少ない国立大学に進学しても、4年間で500万円はかかります。

また、私立の医学部に進学した場合は、6年間でなんと2,000万円~5,000万円の学費がかかるんです。

マイホームが購入できるくらいの大きな金額ですね。

さらに、遠方の大学へ進学した場合、上乗せでかかるのが一人暮らしのための費用です。アパートの敷金や家具を揃えるための初期費用は、一人あたりの平均が45.1万円になります。そして食費や光熱費など月々の仕送り額については平均11.7万円というデータもあります。

これは学費とは別に、年間140万円を仕送りするという計算になります。

国立大学の学費が上がる!?私立大学以上の授業料になる可能性も

大学でかかる教育資金を見て「想像していたよりも大きいな・・・」と感じた人もいるかもしれませんが、さらに国立大学の学費を値上げするという議論も起きています。

財務省の国立大学の値上げ提案を受け、文部科学省が「2031年度には国立大学の1年間の学費が93万円に上がる」という試算を発表しました。

現在、国立大学の授業料は年間およそ54万円なのですが、この試算通りに議論が進めば、16年後には39万円も値上がりしてしまうことになります。

現在の私立大学の授業料平均が年間86万円なので、将来的には私立大学以上の授業料になる可能性があります。

実は国立大学の授業料は、今まででも徐々に値上がりしてきました。文部科学省のデータによると以下のように値上がりし、平成17年度にはほぼ今と同じくらいの水準になっています。

【国立大学の授業料値上げ推移】
昭和60年:252,000円
平成元年:339,600円
平成5年:411,600円
平成10年:469,200円
平成17年:535,800円

現在、国立大学が加盟する国立大学協会では、授業料値上げについて国に慎重な検討を求めていますが、「子どもが国立大学に進んだら負担が少なく済む」とは思えなくなる日もそう遠くはないのかも知れません。

教育資金の準備を考えるときには、私立大学の学費を見越して準備しておくのが安心です。

大学だけで結構お金ってかかるんだね・・・。幼稚園から高校までだと一体どれくらいかかるんだろう。
ずっと公立に通っていたとしても、幼稚園から高校までで500万円かかると言われているわ。私立だと1700万円近くかかるの。

そこにさらに大学の費用がかかるんだから、親は大変よ。ご両親には感謝しなさい。

低金利で計画的に返済できる!国の教育ローン

教育資金って思っていたより大きな金額になりますよね。大学在学中の費用だけでも500万円、場合によっては何千万円と必要になります。

コツコツ貯めた教育資金が途中で足りなくなったらどうしよう・・・と思った人もいるかも知れません。教育資金が足りない場合の資金準備方法に教育ローン(学資ローン)をあげることができます。

教育ローンには国の教育ローンと民間教育ローンの2種類があり、それぞれ申込条件が違ってきます。ここでは国の教育ローンについて、条件やメリットを紹介します。

国の教育ローンのメリットは低金利!ただし年収制限に注意

教育ローンの種類のひとつ目は、日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」です。日本政策金融公庫は100%政府出資の政策金融機関で、家庭環境や所得に関わらず誰でも教育を受けることが出来るように教育ローンを取り扱っています。

国の教育ローンのメリットのひとつに「低金利」を挙げることができます。

民間教育ローンの金利相場が年3.475~4.8%なのに比べて、国の教育ローンの金利は年2.05%(2015年12月時点)となっています。

また、固定金利のみの取扱なので、ローンを組んだ時点の金利が返済完了まで変わらず、返済計画が立てやすいのもメリットのひとつです。

ただし、申込には下表のように所得制限があり、年収が多いと利用はできません。

子どもの人数 世帯所得の上限額 事業所得者の場合の世帯上限額
1人 790万円 590万円
2人 890万円 680万円
3人 990万円 770万円
4人 1,090万円 860万円
5人 1,190万円 960万円

所得額については源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を確認してください。(下図赤枠部分)子どもの人数に応じた所得上限額以内であれば申込することができ、民間教育ローンよりも審査は緩いと言われています。

源泉徴収票の書き方

連帯保証人を立てられなければ民間の学資ローンも検討しよう

国の教育ローンを利用する場合には連帯保証人を1人以上立てるか、保証人に代えて教育資金融資補償基金の保証制度を利用しなければなりません。連帯保証人は進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者は除く)であることが条件です。

【4親等以内の親族】
4親等以内の親族

連帯保証人をたてることができず、保証制度を利用する場合には融資額から保証料が差し引かれます。保証料は融資額や返済期間によって変わってきますが、100万円の融資額に対しておよそ3~11万円かかります。

国の教育ローンは低金利ですが、連帯保証人が立てられない場合には別途保証料がかかってしまいます。

保証制度を利用しなければならない場合は民間の教育ローン(学資ローン)と比較してみるといいですね。

低金利で年中申込み可能!国の教育ローンの特徴まとめ

国の教育ローンの特徴は以下のとおりです。年中いつでも、インターネットや郵送でも申し込みができます。

借入限度額 350万円
金利 固定金利のみ
返済期間 最長15年
(母子・父子家庭や交通遺児は18年まで)
用途 ・中学卒業以上対象の教育施設への納付金
・在学中の住居費用(敷金・家賃など)
・教科書代、通学費用、修学旅行費用など
保証 連帯保証人1人以上、もしくは保証制度を利用
お金を借りるときって収入が多いほうが借りやすそうだけど、国の教育ローンは収入が多すぎると借りれないんだね。
国の教育ローンは家庭環境や収入と関係なく、みんなが等しく教育を受けられるように作られたローンなの。

だから、収入が多い人よりも少ない人を優先的に借りやすくしているのよ。

予備校の費用や部活の費用にも!使い勝手の良い民間教育ローン

教育ローンのふたつ目は、銀行や信用金庫、JAといった民間金融機関が扱う「民間教育ローン」です。金融機関によっては「学資ローン」という名前で取り扱っているところもあります。

民間教育ローンは、国の教育ローンと比べて資金の使用範囲が幅広く認められていることや、所得上限がないことが特徴です。民間教育ローンのメリットや申込条件について紹介します。

民間教育ローンなら塾代にも使える!資金の使いみちが幅広い

民間教育ローン(学資ローン)のメリットは、資金の使いみちの自由度が高いことです。

国の教育ローンの対象は中学卒業以上でしたが、民間教育ローンには幼稚園の費用に使うことができるものもあります。

細かい資金の用途については各金融機関で定めがありますが、授業料や通学費用だけでなく部活動の費用や塾代といった学生生活でかかる費用や、予備校への納付金にも使用できるローンもあります。

また、最大融資額の相場が銀行で300~500万円、信用金庫や信用組合で500万円以内となっており、国の教育ローンよりも大きな額を借りることができる金融機関が多いこともメリットのひとつです。

中には在学費用が何千万とかかる医学部や、法科大学院(ロースクール)へ進学する人を対象に、最大融資額が1,000万円超える民間教育ローンもあります。

家計に合わせて金利のタイプや担保の有無も選べる

金利についても国の教育ローンに比べて選択肢が設けられています。

ローンを組んだときから変わらない固定金利か、市場金利の変動によって上下する変動金利か選ぶことができます。

変動金利は固定金利よりも金利が低く設定されていますが、市場金利が上昇すると返済額が増えてしまうというリスクもあります。返済額が変動しても家計的に対応できるのか、対応は難しいのか考えて選びましょう。

さらに民間教育ローンでは、ローン契約者の家や土地を担保にする「有担保ローン」にするか、担保設定はしない「無担保ローン」にするかというところも選ぶこともできます。

貸し手側からすると、担保がある方が貸し倒れのリスクが小さくなるため、無担保ローンと比べて有担保ローンの方が金利が0.5%程低くなります。無担保ローンのみ取り扱う金融機関の方が多いですが、実際に検討する時には有担保ローンを取扱う金融機関もチェックしてみましょう。

在学中の利息返済不要も!大学と提携した民間教育ローン

民間教育ローンの一部には、大学と民間金融機関が提携した「提携教育ローン」もあります。

提携教育ローンでは、銀行から直接借入れをするよりも金利が低く設定されていたり、中には在学中の利息返還を大学が負担してくれる場合もあります。

提携教育ローンは、その大学に入学予定もしくは在学中であれば申込できます。申し込み後は、他の民間教育ローンと同じように審査を受け、審査に通れば融資を受けることができます。

進学先が提携教育ローンを取り扱っていれば、金利や限度融資額などの条件を問い合わせてみましょう。

【提携教育ローンを扱う大学例】
早稲田大学・慶應義塾大学・中央大学・関東学院大学・名城大学・名古屋商科大学・
近畿大学・関西学院大学・京都産業大学・九州産業大学など
民間教育ローンは部活の費用に使えるんだ!私の月々のお小遣いにも回せないかなぁ・・・。
お小遣いにローンを使うなんてバカなこと言わないの!何にでも使えるわけではなくて、各金融機関で細かく用途が定められているの。

あらかじめ教育ローンの使いみちを決めてから申し込まないと、実はこの用途ではローンが使えなかったってことになるから注意して!

民間学資ローンの審査ポイントと知っておきたい審査対策

民間の学資ローンを利用するには、各金融機関で審査を受けなければなりません。審査のポイントや、申込み前に知っておきたい審査対策について紹介します。

民間学資ローンを利用できる人の3つの条件

民間の学資ローンを利用できる人の条件としてあげられるのは、年齢と前年の年収、勤続年数の3つです。

条件は各金融機関で異なりますが、以下のような条件を定めているところが多く見られます。

  • 年齢:満20歳以上で完済時年齢が70歳程度まで
  • 前年の年収:200万円以上もしくは300万円以上
  • 勤続年数:1年以上もしくは2年以上

国の教育ローンのように、所得上限はありません。

ただし年収が低いと条件に当てはまらなくなってしまうので、世帯収入が低い場合は国の教育ローン、高い場合は民間教育ローンが組みやすいということになります。

過去の借入れ状況までチェックされる!過去の延滞が仇になることも

審査では他のローンと同様に、申込を受付けた金融機関が加盟・提携している個人信用機関から情報を集めて、現在や過去のローンの借入状況や返済状況、クレジットカードの利用履歴をチェックします。

既に返済中のローンやキャッシングが複数あって返済残高が大きい場合や、過去に延滞をしていて個人信用機関に情報が登録されている場合は審査に通らないことがあります。

特に、3ヶ月以上の延滞があった場合は金融事故として登録され、延滞が解消されてから5年間は情報が消えないためローンを組むことはできません。

当サイトには、個人信用情報と審査について詳しく解説している記事がありますので、ぜひそちらも参考にしてみてくださいね。

借入れ残高が大きいとローンが組めない!借入額と返済負担額

また、住宅ローンを除いた無担保ローンの場合、借入額の合計は一般的に年収の50%までとされています。

審査の時点で、もし他のカードローンでも借入がある場合、既に借入れしている残高と、新しく借入れする教育ローンの金額の合計が年収の50%超えると、希望する金額は満額借入れできない可能性があります。

例)年収300万円の場合、借入額合計は150万円(年収の50%)まで

既に借入れている金額① カードローンAで30万円
既に借入れている金額② カードローンBで30万円
新しく借入れしたい金額 教育ローンで100万円借入希望
借入額合計 160万円 (年収の50%超える)

上の表のケースでは借入額合計の上限150万円に対して、既に借入れしている金額と新しく借入れを希望する金額の合計が160万円となり、上限額を超えてしまっています。このような場合は希望している100万円の満額融資は難しくなります。

また、他の借入れが審査に関わってくるポイントとして「返済負担率」を挙げることができます。

返済負担率とは、年収に対するローンの返済額の割合のことをいい、一般的に40%までが目安とされています。こちらも例で説明しましょう。

例)年収300万円の場合、返済額合計は年間120万円(年収の40%)まで

住宅ローンの年間返済額 75万円
自動車ローンの年間返済額 40万円
教育ローンの年間返済額 25万円
返済額合計 140万円(年収の40%超える)

上の表のケースでは、既に住宅ローンを年間75万円返済しており、教育ローンの年間返済額を足すと年収の40%を超えてしまいます。このような場合も、希望融資額を満額借り入れすることは難しくなります。

民間学資ローンの審査対策!申込み前に他の借入れは返済しよう

借入れ額や、返済負担率を考えると、もしも他のローンや借入れがあるなら早めに返済しておくことが重要です。

全額返済はできなくでも、繰上げ返済で残高を減らしておくだけでも審査対策になります。

学資ローンの審査は、以下のポイントを押さえておけば、必要以上に怖がる必要はありません。既に借り入れしている他のローンも合わせて、返済に無理のない金額を借り入れしましょう。

  • 年収や年齢など申込条件を満たしているか
  • 過去のカードローンやクレジットカードで繰り返し延滞していないか(金融事故登録されていないか)
  • 借入額の合計は50%以内か
  • 返済負担率は40%以内か
金融事故の登録がされてるかどうかって、どこかで調べることってできるの?
各信用情報機関のWEBサイトや郵送で、自分の信用情報を取り寄せて確認することができるわよ。

不安なら申込み前にチェックしておくといいわ。

教育ローンならではの元金据置返済で在学中の負担を抑えよう

教育ローンを借り入れする時期には、授業料だけではなく仕送りや教科書代、部活の合宿費用などたくさんの費用がかさむ時期ですよね。子どもが2人以上いれば月々の費用はもっと大きくなります。

教育ローンで借入れができても、結局返済と出費に追われてしまうのではと心配になるかもしれません。でも、教育費用に特化した教育ローンは、月々の返済と出費に追い立てられることのないよう、返済方法にも工夫がされているんです。

在学中の返済は利息のみ!元金据置返済の特徴

教育ローンでは、出費の重なる在学中の期間は元金の返済を猶予してもらえる返済方法があり、これを「元金据置返済」といいます。

元金の返済猶予期間のことを元金据置期間と呼びますが、学資ローンの種類や金融機関によって据置期間は異なります。

  • 国の教育ローンでは在学期間内
  • 民間教育ローンでは在学期間、もしくは入学前6ヶ月+在学期間(最長6年)+卒業後1年

ただし、据置期間は全く返済しなくても良いというわけではなく、元金にかかる利息だけは返済しなければなりません。

例えば、国の教育ローンで融資額100万円、返済期間10年のうち据置期間を4年とすると、返済額はこのようになります。

金利 年2.05% (2015年12月時点)
据置期間中(4年間)の返済月額 1,800円
据置期間終了後(6年間)の返済月額 14,800円
総返済額 1,145,600円

また、同じ融資額、返済期間で据置期間をなしにすると、返済額はこのようになります。

金利 年2.05% (2015年12月時点)
返済月額 9,300円
総返済額 1,105,900円

据置期間中は元金は減らず、利息だけ返済することになるので、上の例のように元金据置返済の方が4万円ほど総返済額が増えることになります。

とは言え、月々の出費がかさむ時期にはありがたい制度ですよね。

親子リレー返済型なら卒業後は学生本人が返済できる

また、教育ローンならではの返済方法として「親子リレー返済型」という方法があります。これは、在学中は親がローンを返済し、卒業後は学生本人が返済を引き継ぐ方法です。この方法は子どもが親に負担をかけさせたくないという希望がある場合や、親の年齢的に教育ローンの返済が困難になる場合に備えて考えられました。

親子リレー返済型は民間教育ローンのみ取扱があります。

利息だけ返済ってどういうこと?ローンを返してることにはなるんだよね?
例えば、100万円を借入れしたとするわよ。一般的にローンを返済するっていうのは、借り入れした100万円(元金)と元金にかかる利息を合わせて返すことを言うの。

利息だけの返済だと、元金は返せてないことになるから借金は減ってないことになるわ。

奨学金制度も検討しよう!親の老後資金を圧迫しないために

今まで教育ローンの紹介をしてきましたが、一般的に教育ローンは親の借金になってしまい、老後資金を圧迫しかねません。公的年金の給付水準も将来的にどうなるのか不安もありますよね。

親の老後資金をしっかり確保し、将来子どもに迷惑をかけないようにするためにも、学資ローンは入学金などまとまったお金が必要なときだけに限り、その他は奨学金を利用することも重要です。

奨学金とは、学ぶ意欲はあるものの家庭の経済事情により進学が難しい学生に、学生生活で必要なお金を給付、もしくは貸出しする制度です。

奨学金が教育ローンと根本的に違うのは、審査基準は返済できるかどうかではなく、経済的に進学は苦しいけれど学習意欲があることだという点です。また、教育ローンの借入者は親ですが、奨学金は子ども自身が借入れすることになります。奨学金の種類や条件について紹介します。

苦学生には朗報!返済不要の給付型奨学金

奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類あり、「給付型」はその名の通り資金をもらえる制度です。

給付型の奨学金のほとんどに「学業優秀で経済的に苦しい」という支給条件が設けられているため、貸与型よりも受給資格が厳しいですが、返済しなくても良いというメリットは大きいですよね。

給付型奨学金制度は、大学が独自に制度を設けている場合が多いですが、中には新聞社が新聞配達をする学生向けに、給料とは別に特別手当として奨学金を給付するものもあります。

中でも難関私立大学は、優秀な学生が授業料が払えず退学してしまうのを防ぐため、給付型奨学金が充実しています。例えば早稲田大学の給付型奨学金制度「めざせ!都の西北奨学金」の申請資格や奨学金額は以下のとおりです。

【申請資格】
・通信制を除く首都圏(東京都・神奈川権・埼玉権・千葉県)以外の国内高等学校もしくは中等教育学校糖の出身者
・課税前給与・年金収入金額:800万円以下(事業所得金額350万円以下) など

【奨学金額・支給金額】
年額40万円(給付)・4年間の継続支給
(各学年で家計状況、学業成績による継続判定あり)

【奨学金交付時期】
7月末ごろ

【採用候補者数】
約1,200名

国立大学なら授業料免除制度あり!でも家計と成績の選考は厳しい

また、国立大学では入学金や授業料免除の制度が設けられており、細かい条件は各大学によって異なります。多くの大学の授業料免除で条件とされているのが、以下の条件です。

  • 経済的理由により納付が困難で、かつ学業成績が優秀と認められるもの
  • 各期ごとの授業料の納期前6ヶ月以内に学資負担者が死亡したもの

成績条件については公表されていないところがほとんどですが、東京大学は成績基準(優・良・可・不可)で、優の単位と良の単位の合計が可の単位数より10単位以上多くなければ申込できない(第2年次の場合)といった基準が公表されています。

また、各期(半年間)ごとに家計状況や学業成績の選考があり、その結果によって半額、もしくは全額免除が認められます。大学の限られた予算で運営される制度なので、必ずしも「前回全額免除だったから今回も全額免除だ」ということにはなりません。

さらに、保護者の所得証明書だけではなく、学生自身のアルバイト等の収入を申告しなければならなかったり、兄弟の学費がいくらかかっているのかということも申告が必要になります。

なお、私立大学も国立大学も給付型奨学金の申込期間が決められており、その期間を逃すと申込はできなくなります。もしも給付型奨学金を希望する場合は申し込み時期を大学の学務課や奨学課に問い合わせておきましょう。

貸付型奨学金で卒業してからコツコツ返済しよう

貸付型の奨学金は、自治体や企業、大学など様々な機関で取扱がありますが、中でも「日本学生支援機構」が取り扱う奨学金が主流になっています。

日本学生支援機構の奨学金には無利息の奨学金(第一種奨学金)と利息付の奨学金(第二種奨学金)の2種類があり、無利息の方が成績基準、所得基準ともに厳しく設定されています。

また、利息付きの奨学金でも、利息は0.1~0.59%(2015年11月時点)と低く、上限利息は3.0%までに定められています。

第一種奨学金 第二種奨学金
利息 無利息 年利3%を上限とする利息付(在学中は無利息)
学力基準 ・特に優れた学生及び生徒
・高校1年生~申込時までの成績3.5以上(予約採用)
・もしくは在籍する学部学科の上位1/3以内の場合のみ申込可能(在学採用)
・成績が平均水準以上

所得基準 ・経済的理由により著しく就学困難なもの
(世帯人数や国公立か私立かなどで基準が変わる)
・家計支持者の所得が一定額以下
(世帯人数や国公立か私立かなどで基準が変わる)
借入額 月額3~6.4万円
(国公立大学か私大、自宅通学かどうかにより異なる。)
月額3・5・8・10・12万円のいずれか

申込は、毎年春に各大学で奨学生の募集が行われ、大学を通じて申し込みます。この在学生向けの奨学金を在学採用といいます。

また、大学入学前に奨学金を予約申し込みすることもでき、これを予約採用といいます。予約採用では在学する高校を通じて高校3年生時の4~6月頃、もしくは9~10月頃に申し込むのですが、申し込み時点で進学先が決まっていなくても審査を受けることができます。

予約採用の場合は、高校3年生の秋頃に採用結果が通知されます。無事採用されたら、大学1年生時の4月に進学先で最終手続きを行い、借入れする額や返済利息を決めます。そして実際に奨学金が支給されるのは進学後の5月以降になります。

日本学生支援機構の奨学金も、給付型奨学金のように申し込み時期が決められており、いつでも申し込めるものではありません。

申し込みたい場合は、学校からの募集開始のお知らせを逃さないように気をつけましょう。

また近年の不況により、奨学金を借りても卒業後返済できないという人が増えています。奨学金を返せなくなってしまうと、最悪財産が差し押さえられてしまう場合も。

奨学金は必ず返済が必要な借金の一種です。当サイトには、奨学金が返済できなくなったらどうなってしまうのか、また返済が滞ってしまった場合に知っておきたい制度について紹介している記事がありますので、ぜひ借り入れする前に確認してみて下さいね。

返さなくて良い奨学金があるなんて知らなかった!もらえるものはもらっておいた方がお得じゃん。早速申し込もうっと!
あのねぇ、給付型奨学金はそんなに簡単にもらえるものじゃないの。家庭の経済状況だけでなく、成績についても厳しい審査があるわ。

しかも一回審査に通ったからって、ずっと給付してもらえるわけじゃないの。半期毎に審査を受けて、その度に全額免除か半額免除か、免除なしか決まるのよ。

計画性が大事!教育資金の準備時期と融資開始のタイミング

「大学に無事合格し、奨学金も採用された。とりあえず入学金は教育ローンで借り入れできたからもう大丈夫。」・・・というわけにはいきません。学費も入学金も準備万端に見えますが、このままでは教育資金不足になってしまいます。

大学入学時には入学金はもちろんですが、初年度前期学費も3月中に振り込まなければなりません。ここで落とし穴なのが、奨学金を受け取れるのは進学後からだということです。なので、手元に入学金だけ準備しておいても、学費分の資金が不足してしまいます。

教育資金の準備には、学校への学費の納付時期や、奨学金の申込時期と受取時期を意識することがとても大切です。それぞれの時期と準備が必要な金額を説明します。

大学入学時の費用が不足したら学資ローンで素早く準備

大学の合格発表から入学までの1~2ヶ月の間には、入学金や前期の学費、一人暮らしを始めるならマンションの敷金礼金といった莫大なお金が必要になります。

例えば、入学金30万円、前期授業料45万円、一人暮らしの初期費用45万円とすると、合計120万円という大きな額が必要になります。

この入学時費用の準備のため、受験前に予約採用の奨学金に申し込んでいたとしても、奨学金だけでは入学時費用はまかなえません。奨学金を受け取れるのは給付型・貸与型ともに進学後となるため、受け取りを待っていれば納期が過ぎてしまいます。

急いで大学入学費用を借入れしたい場合は、教育ローン(学資ローン)を利用しましょう。教育ローンなら年中申し込みを受付しているので、合格発表後すぐに申しこめば即日で融資決定してくれる金融機関もあります。

【審査期間の目安】
・国の教育ローン:申込~融資まで2週間~1ヶ月
・民間教育ローン:申込~融資まで即日~1週間

「ギリギリで申し込んでも案外間に合うじゃないか」と思った人もいるかと思いますが、あくまでこの目安は期待通りの審査結果が出た場合の日数です。特に国の教育ローンは毎年1~3月の受験シーズンは混雑してしまい、融資までの日数がさらにかかる場合もあります。

そこで国の教育ローンと民間教育ローンの一部は、受験シーズンの混雑を和らげるために、「予約型教育ローン」を行っています。

これは進学先が決まる前からローンの予約申し込みを受け付ける制度です。

入学時費用の借入れを考えている場合は、混雑を避けて合格発表前からローンの予約申し込みをしておきましょう。

なお、予約型教育ローンは合格発表後にローンが不要になった場合はキャンセルも可能です。

また貸与型の奨学金とは違って、教育ローンはまとまった金額を一度に借り入れすることができるので、短期間でたくさんの費用が必要な入学時には使い勝手が良いと言えます。教育ローンなら、念のために後期の学費も借入れしておくこともできますね。

翌年の学費不足!奨学金を使うなら申し込み時期に注意

翌年度以降の学費に日本学生支援機構の奨学金を充てようと考えている場合は、申し込み時期に注意しなければなりません。

在学採用の奨学金は毎年春に募集され、振り込みが始まるのはは6月か7月になります。2年次以降の前期学費の納付時期は進級する年の3月~4月なので、奨学金の振り込みをアテにしていても間に合いません。

奨学金で学費を支払うのであれば、初年度に申し込みをして、受け取った奨学金をそのまま貯金しておきましょう。

また、進学前に予約採用で奨学金を申し込んでいて、翌年度も奨学金が必要な場合は、毎年12月~1月の間に「奨学金継続願い」を日本学生支援機構に提出しなければなりません。奨学金継続願いは学校を通じて学生本人に交付されます。この提出をうっかり忘れてしまうと翌年度の奨学金は続けて支払われません。

奨学金継続願で直近1年間の収入と支出状況、成績のチェックを受けて、奨学金が継続されるか判断されます。場合によっては、貸与額が減額されたり、奨学金を受け取れなくなる場合もあります。

奨学金で教育費用をまかなう場合、事前に申込時期や受取時期を確認した上で、計画性をもって準備することが大切です。

教育資金の準備は計画性が大事なのかぁ。でも事前に計画を立てるのって苦手なんだ・・・。

とりあえず、早く借入れや奨学金の申込みをしておけば何とかなるよね!多めに借りとけば大丈夫でしょ!

奨学金は申込時期が決まっているから、早めに申込って言っても申込期限をしっかり確認して対応してね。

あと、多めに借りるって言うけど、授業料の納付時期までの期間を逆算して、資金不足にならないように計算しながら使わなきゃダメよ。

どう資金調達したって、計画性はとっても大事なの。

教育ローンと奨学金の特徴、教育資金の準備時期まとめ

教育資金の準備方法と準備時期をまとめました。

国の教育ローン

借入限度額 350万円
金利 固定金利のみ
用途 ・中学卒業以上対象の教育施設への納付金
・在学中の住居費用(敷金・家賃など)
・教科書代、通学費用、修学旅行費用など
申込条件 年収の上限あり
申込/融資時期 いつでも申込可能/申込~融資まで2週間~1ヶ月

民間教育ローン(学資ローン)

借入限度額 300~500万円が相場。中には1000万円まで可能なローンも。
金利 固定金利、変動金利から選択できる
用途 金融機関によって異なる。
・幼稚園の費用からローンを組めるところもある。
・部活動の費用や、塾、予備校の費用にも使用可能なところも。
利用条件 ・年収の下限あり、いつでも申込可能
申込/融資時期 いつでも申込可能/申込~融資まで即日~1週間

給付型奨学金

  • 大学が独自に制度を設けている場合が多く、条件も大学によって異なる。
  • 所得状況だけでなく、成績により審査される。
  • 申込期間が決められていて、期間を超えると申し込みできない。

貸与型奨学金

第一種奨学金(無利息) 第二種奨学金(利息付)
学力基準 在籍する学部学科の上位1/3以内といった基準あり 平均水準以上の成績
所得基準 経済的理由により著しく就学困難 家計支持者の所得が一定額以下
借入額 月額3~6.4万円 月額3・5・8・10・12万円のいずれか
申込時期 予約採用:進学前の4~6月か9~10月
在学採用:毎年春
同左
融資時期 予約採用:進学後の5月以降
在学採用:6~7月
同左

また、教育資金の準備時期について意識しておくポイントは下の3つです。

  • 奨学金は申込から融資開始まで期間があくので、その間に納付が必要な費用については教育ローンで準備する。
  • 予約型教育ローンで、混雑する受験シーズンを避けてローンの申込みをしておく。
  • 奨学金は給付型、貸与型ともに申込時期を逃すと融資が受けられないため、申込期間は日頃からチェックしておく。
改めて教育資金の準備方法って色んな種類があるんだね。でも私が勉強するために親が借金するのも、何だか心苦しい気もするなぁ。勉強頑張らなきゃダメだね。
あら、たまにはいい事言うじゃない。そうね、教育ローンだと親の借金になってしまうわね。

自分で学費を返済するなら、奨学金を活用したりローンの返済方法を親子リレー型にして工夫はできるわ。親孝行のためにも、授業サボらず頑張らなきゃね。

教育ローンと奨学金を組み合わせて計画的に資金準備しよう

教育資金の準備に不安を抱えている人も、教育ローンや奨学金の特徴や申込時期と融資時期を知っておけば、賢く資金を準備することができます。

ただ、子どものために教育資金をしっかり準備することは大切ですが、あくまでも教育ローンは親の借金になってしまいます。老後資金の準備や他のローンの返済との兼ね合いも考えて、無理なく返済出来るように融資を受けることが大切です。教育ローンと奨学金を上手に組み合わせて、計画的に教育資金を準備しましょう。

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