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借金の連帯保証人にはなるな!連帯保証人の責任と注意点

借金の連帯保証人にはなるな!連帯保証人の責任と注意点

家族や親戚、友人などから「借金の連帯保証人になってほしい」と頼まれた場合、あなたはどうしますか?

連帯保証人とは、主債務者(お金を借りた本人)が借金を返済できなくなった際、代わりに支払い義務を負う「借金の肩代わり役」。返済額によっては今後の人生にも影響しますから、そう簡単に契約できるものではありませんよね。

しかし親しい人・大切な家族に頼まれ断れなかった人や、知らないうちに連帯保証人にさせられていたという人がいるのも事実です。

この記事では借金の連帯保証人について解説。連帯保証人になる前に確認しておくべきポイントや、連帯保証人をやめたいときの対処法、連帯保証契約が無効になる(解除できる)ケースについてお伝えします。

借金の連帯保証人とは?保証人とどう違うの?

最初に、借金の連帯保証人がどういう人なのか説明しておきます。

連帯保証人とは、主債務者と同じく返済義務を負う人のことです。

連帯保証人は「保証人」と同じってこと?
全っ然違うわよ!連帯保証人は保証人と違って、主催者本人より先に借金返済を督促される恐れもあるの。「主債務者が返済できるかどうか」に関係なく、自分に請求がくるかもしれないのよ!

連帯保証人と保証人の大きな違いは、次の3つがあるかどうか。

  1. 催告の抗弁権
  2. 検索の抗弁権
  3. 分別の利益

それぞれ見ていきましょう。

1、連帯保証人には「催告の抗弁権」がない

まず「催告の抗弁権」とは、保証人が債権者(お金を貸した側)から「債務者の代わりにあなたが返済してください」と請求されたとき、「自分ではなく主債務者へ請求してください」と言える権利です。

借金の連帯保証人には催告の抗弁権がない

連帯保証人にはこの権利が認められないので、自分への請求を拒否することができません。

2、連帯保証人には「検索の抗弁権」がない

「検索の抗弁権」は、「主債務者に返済可能な資力がある」と証明したうえで請求を拒否する権利のこと。

借金の連帯保証人には検索の抗弁権がない

連帯保証人の場合、このような訴えは効力を持ちません。

3、連帯保証人は「分別の利益」ができない

「分別の利益」とは、保証人が複数いる場合(共同保証)、保証人全員が分割して保証債務を負うこと。債務者が誰か1人にだけ全額請求することはできません。

複数の保証人が分割して返済する分別の利益

連帯保証人の場合は、「分別の利益」によって返済額を分割することができません。

連帯保証人は分別の利益ができない

ってことは、連帯保証人は債権者に請求されたら逃げられないし、借金を全額背負わされる可能性も高いってことだよね・・・!怖い!
でしょ。だから連帯保証人になるのは高リスクなの。

借金の連帯保証人になっても大丈夫?判断基準となる3つのポイント

親や親しい人に借金の連帯保証人を頼まれたら、なんとかしてあげたいって思っちゃうかも。
確かに相手との関係などによっては、連帯保証人になるのを断りづらい場合もあるわよね。

でも安易に依頼を受けるのは危険よ。

借金の連帯保証人になると、借金の肩代わりをさせられ、今後の人生が大きく変わってしまう危険性もあります。相手の信頼性や状況、金額だけで「連帯保証人になるかどうか」を決めてはいけません。

「借金の肩代わりをしてもいい」「なんとか債務者の助けになりたい」と思った場合、まずは次の3つのポイントを確認してみましょう。

借金の連帯保証人になるかどうか決めるポイント
  1. 連帯保証の契約種類
  2. 提出不要の書類
  3. 主債務者の経済状況

「連帯保証人になってあげたい」という気持ちがどんなに強くても、「引き受けて後悔しないかどうか」を必ず考えてください。

1、連帯保証の契約種類を確認!根保証は特に高リスク

まずは借金の連帯保証が、どのような契約になるのかを確認しましょう。連帯保証には、契約種類が2つあります。

連帯保証の契約種類
  • 通常の連帯保証契約
  • 根保証契約

連帯保証の契約種類が「根保証契約」の場合は、返済義務を負う金額がもともとの借金より多額になる恐れがあります。

たとえば主債務者に「100万円の借金をするから、連帯保証人になってほしい」と言われた場合、「100万円なら、払えない金額ではない。連帯保証人になっても大丈夫だろう」と思い、連帯保証人になる人もいるでしょう。

しかし契約の種類が「根保証契約」だった場合、連帯保証人は「主債務者が契約時に借りた金額」ではなく「主債務者が借りられる金額の上限(極度額)」分の返済義務を一緒に背負うことになります。

そのため「100万円の借金を肩代わりすると思っていたのに、500万円も請求されてしまった」なんてことが起きる恐れもあるんです。

根保証契約で連帯保証人になった場合

怖い!請求が来る頃には借金が膨らんでて、思わぬ金額を支払うことになるかも・・・ってことだよね。
そう。契約書をよく読まなかったり、主債務者を信用しきってしまったりすると、痛い目に遭うわよ!

契約種類の確認は「連帯保証人になると、高くてどれくらいの金額を支払うことになるのか」を知るために重要。次の方法で確かめてください。

契約種類の確認方法
  • 契約書をよく読む
  • 契約種類を主債務者に確認する

契約種類について主債務者に確認する際は、次のように聞きましょう。

  • この契約は「通常の連帯保証契約」と「根保証契約」のどちらですか?
  • 上限〇円の連帯保証契約で間違いありませんか?

これらの回答は書面や録音などに記録し、必ず証拠として残すようにしてください。

万が一契約当初と内容が違っていた場合、連帯保証契約を取り消せる可能性があります。その際に証拠があれば話がスムーズに進む場合も。詳しい方法については「借金の保証契約を無効(取消)にできる場合」の章で説明します。

2、連帯保証契約で「委任状」「承諾書」の提出が求められたら要注意

連帯保証人になるにあたり、債権者(お金を貸す側)から次の書類を提出するよう求められる場合があります。

  • 公正証書作成嘱託委任状
  • 根抵当権設定仮登記承諾書

これらの書類を求められたら、連帯保証人になるのはやめておきましょう。

この2つの書類が何なのかよく分かんない。貸主に「提出してくださいね」って言われたら、とりあえず提出しちゃいそうだなぁ・・・。
そういう人が、悪意のある主債務者や「とにかく連帯保証人を立てないと困る」という主債務者に騙されるのよ!

委任状と承諾書には、次のような効力があるの。ちゃんと確認しなさいよね。

これらの契約書類を債権者に提出すると、債権者は次のようなことが可能になります。

契約書類内容
公正証書作成嘱託委任状連帯保証人の財産を、裁判なしで差し押さえできる
根抵当権設定仮登記承諾書連帯保証人の所有する不動産を、裁判なしで競売にかけられる
公正証書作成嘱託委任状

公正証書作成嘱託委任状

根抵当権設定仮登記承諾書

根抵当権設定仮登記承諾書

これらの書類で連帯保証人の立場が良くなることは、まずないでしょう。

連帯保証人になるだけで、人生狂わされちゃうかもしれないんだね・・・!
自分の借金じゃないのに、財産を手放したり、自宅に住めなくなったりするなんて辛すぎるわよね。

「手続きが楽になるから、ついでに書いておいて」なんて言われても、絶対に断らなきゃダメよ!

3、主債務者の経済状況がよほど良くないと連帯保証人は高リスク

借金の連帯保証人は、必ずしも返済を求められるわけではありません。

主債務者の経済状況が良ければ、主債務者本人が滞りなく借金返済できるので、連帯保証人が請求を受ける可能性は低いです。このような場合は、連帯保証契約を検討してみてもいいかもしれません。

しかし主債務者が返済困難になる可能性が高ければ高いほど、連帯保証人が借金を肩代わりする可能性は高まります。

いまは主債務者の経済状況が良好でも、いつ何が起きるかわからないわ。たとえどんなに真面目に仕事をしている人でも、病気やケガで収入が減る可能性だってあるの。

そう考えると、経済状況が良いからといって「連帯保証人になるリスクが低い」というわけではないのよね。

借金の連帯保証人をうまく断る方法

借金の連帯保証人にはなりたくないけど、断ると主債務者との関係が悪くなりそう。ハッキリ断るのは心が痛むなぁ・・・。
でも曖昧な返事をすると、なかなか引き下がってくれないわよ。

借金の連帯保証人になったら契約解除は難しいので、最初にキッパリ断る必要があります。

ではどのように断るのがいいのでしょうか?連帯保証人を頼まれた場合、次のような理由を伝えて断ると納得してもらいやすいです。

借金の連帯保証人を頼まれたときの断り方(例)
  • 家の決まりや親からの言いつけで連帯保証人にはなれない
  • 家族など他の人の保証人になっているので、これ以上引き受けられない
  • 自分もローン返済や教育費の支払いなどがあるので無理

後で気付かれる危険性がなければ、嘘をついてでもハッキリ断るべきでしょう。

主債務者がしつこく食い下がってきたら、どうしよう?
重要なのは「ハッキリ断ること」。相手が「これ以上頼んでも、応じてもらえそうにないな」と納得してくれるように伝えて。
返事をとりあえず保留にして、「また連絡するよ」っていうのはどうかな?
それも1つの手だけど、「前向きに検討してくれるんだ!」と期待させてしまう可能性もあるから注意して。

相手が急いでいる(すぐにお金を借りないと困る)なら、返事を先延ばしにしているあいだに他の人へ連帯保証人を依頼する可能性も高いわ。そういう場合は依頼を回避できるかも。

借金の連帯保証人をやめるには貸主の同意が必要

先ほども説明したように、借金の連帯保証人をやめるのは簡単ではありません。

連帯保証人をやめるには債権者(貸主)の合意を得て、保証契約を解除(合意解除)する必要がありますが、合意を得られる可能性は低いのです。

「連帯保証人になってほしい」っていう依頼は主債務者(借主)からされるんだよね。それなら債権者じゃなくて、主債務者の合意が得られれば連帯保証人をやめられるんじゃない?
ダメよ。連帯保証人が保証契約を結ぶのは、主債務者じゃなくて債権者なの。お金を借りた本人に「連帯保証人やめてもいいよ」と言われても、意味がないのよ。

連帯保証人をやめるには債権者の合意が必要

そうなんだ・・・!じゃあ、どうすれば債権者は契約解除に合意してくれるんだろう?
債権者に「自分が連帯保証人をやめても、債権回収ができる」と認めてもらえないと、合意してもらえる可能性は低いわ。

お金を貸す側にとって、主債務者とともに返済義務を背負う連帯保証人が居なくなるのは大きなデメリットだもの。

連帯保証人をやめられる可能性が高いのは、次のような場合です。

借金の連帯保証人をやめられる可能性が高い場合
  • 代わりに保証人になってくれる人がいる場合
  • 不動産などの担保を提供できる場合
連帯保証人を代わりに引き受けてくれる人なんて、そう簡単に見つからないと思うなぁ・・・。
そうね。それに、不動産などの担保を主債務者の代わりに差し出すのも難しい人が多いと思うわ。
だから借金の連帯保証人には、安易になっちゃいけないんだね。
そのとおり。でも「知らないうちに連帯保証人になってた」とか「未成年なのに連帯保証人にされた」とか、連帯保証を無効にできる場合もあるのよ。次の章で説明するわね。

借金の保証契約を無効(取消)にできる場合

借金の連帯保証人になった人のなかには、次のような人もいるのではないでしょうか。

  1. 未成年なのに連帯保証人にされた
  2. 勝手に借金の連帯保証人にされた
  3. 詐欺によって連帯保証人にされた
  4. 勘違いで連帯保証人になってしまった

このような場合は、借金の連帯保証を無効にできる可能性があります。それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。

1、未成年なのに連帯保証人にされたら契約取消が可能

未成年が連帯保証人になった場合は、連帯保証契約を取り消すことができます。

未成年者は「判断能力が不十分」と見なされ、単独での法律行為は認められていません。そのため法定代理人(親など)の許可を得ずに連帯保証人になった場合、本人または法定代理人によって契約を取り消すことが可能です。

2、勝手に連帯保証人にされた場合、1円も払ってはいけない!

「勝手に連帯保証契約されていて、知らないうちに自分が連帯保証人になっていた」なんて人もいるようです。

この場合債権者から請求がきたら、焦って「とりあえず支払おう」と思うかもしれません。

しかしここで1円でも支払うと、「自分が借金の連帯保証人です」と認めたことになってしまい、連帯保証契約の解除が難しくなります。

ちなみに、このような契約の事後承諾を「追認」と言うのよ。

請求がきたらまず弁護士に相談して、連帯保証契約の解除ができるよう話を進めて!

3、詐欺の場合は「債権者が関与したかどうか」がポイント

連帯保証人になった当初に確認した契約内容と、実際の契約内容が違った場合などは「詐欺」と見なされ、連帯保証契約を取り消しできる可能性があります。

ただし保証契約を取り消せるのは、「債権者が詐欺行為について知っている」場合のみです。(民法96条2項)

それを証明するのは難しいため、連帯保証契約を取り消せない場合もあります。

そんなのひどい!騙したほうが悪いのに!
落ち着いて。「勘違いで連帯保証人になってしまった」と主張して、連帯保証契約を無効にできる可能性があるわ。

次の項目を見てみましょう。

4、勘違い(錯誤)を主張すれば連帯保証契約を取り消せる可能性も

内容を勘違いして連帯保証契約をしてしまった場合、次のような事項が認めれられれば連帯保証契約を無効にできます。

勘違い(錯誤)による連帯保証契約を無効にする条件
  • 重要な部分における錯誤であること
  • その勘違いがなければ契約しなかったこと
どこが「重要な部分」になるのかなんて、自分じゃわからないよ・・・。
そうよね。まずは弁護士に相談したほうがいいわ。

ちなみに裁判では、さっき説明した「詐欺」と「錯誤」を一緒に主張する方法もあるのよ。

借金の連帯保証人に関する疑問を解決

最後に、借金の連帯保証人に関する次のような疑問にお答えします。

連帯保証人に関するよくある疑問
  1. 主債務者が自己破産をしたら連帯保証人はどうなる?
  2. 夫または妻が連帯保証人になった場合、離婚したらどうなる?
  3. 借金の連帯保証人が死亡したらどうなる?

知りたい項目を選択し、確認してくださいね。

【1】主債務者が自己破産をしたら連帯保証人はどうなる?

主債務者が借金を返済できず自己破産するケースもあります。この場合連帯保証人はどうなるのでしょうか?

主債務者が自己破産した場合、原則として連帯保証人は借金の一括返済を求められます。

うわー・・・もし自分が連帯保証人になって、主債務者に自己破産されたら、もう主債務者のこと信用できなくなりそう。
そうね。こういうことが起きる可能性も考えると、やっぱり連帯保証人にはなるべきじゃないわ。

【2】夫または妻が連帯保証人になった場合、離婚したらどうなる?

自分の夫または妻を借金の連帯保証人にする人もいます。では連帯保証契約後、この夫婦が離婚したらどうなるのでしょうか?

夫婦が離婚しても、連帯保証人をやめることはできません。

先程も説明したように、連帯保証契約は「連帯保証人となる人」と「債権者(お金を貸す側)」のあいだで締結されます。債権者の承諾がなければ、連帯保証人をやめることはできません。

【3】借金の連帯保証人が死亡したらどうなる?

自分が連帯保証人になっていなくても「死亡した家族が、借金の連帯保証人になっていた」という状況に直面する可能性があります。

この場合、連帯保証人の遺族に返済義務は生じるのでしょうか?

連帯保証人が死亡した場合、その地位は基本的に相続人が引き継ぐことになります。

たとえばAさんの父親が連帯保証人になっていた場合、Aさんの父親が死亡したらAさんやAさんの母親といった相続人が連帯保証人となるのです。

しかし「相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」であれば、連帯保証人の地位を相続放棄できる可能性もあります。(民法915条)

相続放棄できるのは「連帯保証人が死亡してから」じゃなくて「死亡した人が連帯保証人になっていたことを知ってから」3カ月以内なんだね。
連帯保証人が死亡して数年経ってから、借金返済の請求書が届くこともあるのよ。死亡した時点で相続に気付づけない人は多いと思うわ。

ただし相続放棄をすると、連帯保証人の地位でけでなく死亡者の財産などもすべて放棄することになります。相続放棄は独断で決めるのではなく、弁護士などの専門家に相談して行なうのがオススメです。

借金の連帯保証人はメリットなし!契約するなら覚悟が必要

借金の連帯保証契約は高リスク。借金の肩代わりとなるだけで、連帯保証人には何のメリットもありません。 また契約種類が「根保証契約」の場合、返済請求される頃には借金が膨れ上がっている可能性も。

「家族として連帯保証人になるべきでは」「主債務者との関係を悪くしたくない」など連帯保証人を断りづらく感じる人もいると思います。

しかし連帯保証人になることで多額の借金を背負わされ、財産や自宅を失ったら、それこそ関係が悪化すると思いませんか?

連帯保証契約は簡単に解除できるものではありません。借金の連帯保証人を依頼されたらキッパリ断りましょう。

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