借用書の書き方|個人・家族で使えるテンプレートと収入印紙の金額
「友達に10万円貸すことになった。でも、借用書って何を書けばいいの?」
実は、難しい法律用語をびっしり書く必要はありません。まず押さえたいのは、誰が・誰から・いくら借りたか。いつまでに、どう返すか。この5つです。
ただし、金額や返済日をあいまいにすると、数か月後に「来月返すって言ったよね?」「いや、余裕ができたらって話だった」となりがちです。借用書は、相手を疑うためというより、未来の2人の記憶違いを防ぐメモだと思うと分かりやすいです。
この記事では、個人同士のお金の貸し借りを想定して、すぐ使える見本から順番に説明します。
※このページは一般的な個人間の金銭貸借を想定した見本です。高額な貸し借り、担保・保証人を付ける場合、相続や贈与が絡む場合、すでにトラブルになっている場合は、弁護士・司法書士・税理士・公証役場などへの確認を検討してください。
- 📥 Word・PDFの借用書テンプレートを無料ダウンロード
- 📄 まずコピペ用|シンプルな借用書テンプレート
- 📝 借用書に書くものは7つ。難しく考えなくてOK
- ✍️ 借用書は手書きでもいい?専用の紙を買う必要は?
- 🤝 友人にお金を貸すなら「仲がいいからこそ」書いておく
- 🏠 家族・親子でも借用書は作った方がいい?
- 💡 利息なしの借用書はどう書く?
- 📊 利息ありなら、上限を超えないようにする
- 💴 借用書の収入印紙はいくら?1万円以上は要チェック
- 📅 分割返済なら「毎月いくら」を借用書に書く
- ⏰ 「返済期限なし」の借用書は避けた方が分かりやすい
- ⚠️ 借用書があれば、絶対にお金を取り戻せる?
- 🚫 借用書でありがちなNG例
- ✅ 借用書を書く前の5分チェック
- 📌 まとめ|借用書は「誰が・いくら・いつまでに返すか」が分かればぐっと強くなる
- ❓ よくある質問
- 📚 公式一次資料
📥 Word・PDFの借用書テンプレートを無料ダウンロード
すでにお金を受け取った場合に使える、無利息・一括返済用の空欄テンプレートです。Wordは編集してから印刷、PDFは印刷して手書きで記入できます。会員登録は不要です。金額、受領日、返済期限、当事者、振込先を埋めて、内容を双方で確認してください。お金を渡す前に「借り受けました」と署名しないようにしましょう。
📄 まずコピペ用|シンプルな借用書テンプレート
以下は、すでにお金を受け取ったケースを想定したシンプルな見本です。
借 用 書
私は、2026年9月23日、〇〇 〇〇 様から
金100,000円を借り受けました。
1. 返済期限
2026年12月31日
2. 返済方法
貸主が指定する銀行口座へ振り込みます。
振込手数料は借主が負担します。
3. 利息
無利息とします。
2026年9月23日
貸主
住所:
氏名:
借主
住所:
氏名: 署名
これだけでも、「誰から」「いくら」「いつ借りた」「いつ返す」がかなり明確になります。利息を付ける場合や分割で返す場合は、その条件も追加します。
📝 借用書に書くものは7つ。難しく考えなくてOK
最低限、次の項目を順番に埋めていくと作りやすいです。
1. 誰が誰から借りたか
貸主と借主の氏名を書きます。同姓同名や後の確認に備えて、住所も入れておくと分かりやすくなります。
2. いくら借りたか
「10万円くらい」ではなく、金100,000円のように金額を確定させます。改ざんが気になる場合は、金100,000円(金壱拾万円)のように大字を併記する方法もあります。「漢数字で書かなければ無効」という意味ではありません。大事なのは、金額が後から見ても一つに決まることです。
3. いつお金を受け取ったか
借用書では、実際にお金を受け取った日も重要です。たとえば「2026年9月23日、金100,000円を借り受けました」と書けば、「まだ渡していない」「もう受け取った」の食い違いを減らせます。銀行振込なら、振込記録も残しておきましょう。
4. いつまでに返すか
「お金ができたら返す」は、できるだけ避けます。2026年12月31日までのように日付を決めます。返済期限を決めないと、「まだ待ってもらえると思っていた」というトラブルにつながりやすくなります。
5. どうやって返すか
現金なのか、銀行振込なのか。分割なら、毎月いくら・何日に払うのかまで決めます。例えば、「毎月末日までに10,000円を、貸主指定の銀行口座へ振り込む。最終回は残額を支払う」のように書けば、かなり明確です。
6. 利息を付けるか
利息を取らないなら、「無利息とする」と一言書いておくと分かりやすいです。利息を付ける場合は、「年○%」と数字で決めます。利息制限法では、上限金利は元本に応じて年15~20%です。金融庁の案内では、10万円未満は20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%が上限の水準です。個人間の貸し借りでも、「友達だから30%でいいよ」のように自由に高い利息を決めてよいわけではありません。
7. 作成日と署名
最後に作成日を書き、借主本人が内容を確認して署名します。全文を手書きする必要はありません。パソコンで本文を作り、印刷後に本人が内容を確認して署名する形でも、条件を整理できます。大切なのは、後から「その文書を作ったのは自分ではない」という争いになりにくい形で残すことです。
✍️ 借用書は手書きでもいい?専用の紙を買う必要は?
借用書には、「この用紙でなければダメ」という専用様式があるわけではありません。手書きでも、パソコンで作っても、まず大切なのは内容です。検索では「借用書 どこで売ってる」「ダイソー」「コンビニ」と調べる人もいますが、必ず専用用紙を買う必要はありません。普通のA4用紙に条件をまとめても構いません。ただし、鉛筆のように消しやすい書き方より、後から変更されにくい形で残す方が安心です。
🤝 友人にお金を貸すなら「仲がいいからこそ」書いておく
「10年来の友達だから借用書なんて失礼かな」と思う人もいるかもしれません。でも、お金の約束は時間がたつと記憶がずれます。たとえば10万円を貸して、貸した側が「3か月後に全額返す約束」、借りた側が「余裕ができたら少しずつ返す約束」と認識が分かれたら、友情とは別の問題になります。借用書を作る目的は、相手を疑うことではなく、「最初に2人で同じ約束を見ておく」ことです。特に友人間では、返済日と返済方法をはっきりさせておくのがおすすめです。
🏠 家族・親子でも借用書は作った方がいい?
家族間では、借用書よりさらに大事なことがあります。本当に「貸したお金」と言える状態にしておくことです。国税庁は、親子や祖父母・孫などの金銭の貸し借りについて、返済能力や実際の返済状況から本当の貸し借りと認められるなら、借入金そのものは贈与にならないと案内しています。逆に、「ある時払いでいいよ」「出世したら返して」のように、実質的に返済する予定がない貸し借りは、贈与として扱われる場合があります。
借用書を1枚作れば贈与税対策になる、ではない
ここはかなり重要です。借用書があっても、返済期限が現実的ではない、借りた人に返済能力がない、実際には一度も返していない、返済記録が残っていないという状態なら、「本当に貸したの?」という問題は残ります。家族間では、借用書とセットで、銀行振込など実際の返済記録を残すことも大切です。また国税庁は、無利子などの場合、利息相当額の利益が贈与として扱われるケースがあるとも案内しています。金額が大きい親族間の貸し借りは、税理士などへ確認した方が安全です。
💡 利息なしの借用書はどう書く?
利息を取らないなら、難しく書く必要はありません。「本件貸付は無利息とする」と明記します。何も書かずに後から「当然、利息も払ってくれると思った」となるより、最初に決めておく方が分かりやすいです。家族間で高額なお金を無利息で貸す場合は、先ほどの贈与税の論点もあるので、「無利息と書けば税務上も必ず問題ない」とは考えないようにしましょう。
📊 利息ありなら、上限を超えないようにする
利息を付ける場合の上限は、元本によって変わります。
| 元本 | 利息制限法の上限 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20% |
| 10万円以上100万円未満 | 年18% |
| 100万円以上 | 年15% |
例えば50万円を貸すなら、利息制限法上の上限は年18%です。「友達同士だから自由」というルールではありません。実際には個人間で高い利率を設定するとトラブルになりやすいため、金額が大きい場合や複雑な条件を付ける場合は専門家への確認をおすすめします。
💴 借用書の収入印紙はいくら?1万円以上は要チェック
紙で作る金銭借用証書などは、印紙税の「消費貸借に関する契約書」に該当します。国税庁が示している税額は次のとおりです。
| 借りる金額 | 印紙税 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 |
| 10万円超50万円以下 | 400円 |
| 50万円超100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円超500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 10,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 20,000円 |
10万円ちょうど → 200円/10万1円 → 400円/100万円ちょうど → 1,000円/100万1円 → 2,000円です。境目で金額が変わるので注意しましょう。課税対象の紙の借用書には、必要な収入印紙を貼り、文書と印紙にかかるように署名または押印で消印します。
📅 分割返済なら「毎月いくら」を借用書に書く
一括返済ではなく、毎月返す場合は返済予定を具体的にします。
例:10万円を10回で返す
2026年10月31日から2027年7月31日まで、
毎月末日限り10,000円ずつを、
貸主指定の銀行口座へ振り込んで返済する。
このように書けば、いつから・いつまで・毎月いくらが分かります。利息を付ける場合は、元金と利息の計算が複雑になることがあります。「毎月1万円払えば10回で終わる」と単純にはならないので、利息ありの分割返済では返済予定表も一緒に作ると分かりやすくなります。
⏰ 「返済期限なし」の借用書は避けた方が分かりやすい
検索では「借用書 返済期限なし 書き方」も見られます。ただ、個人間では返済期限を決めておいた方がトラブルを減らせます。「お金に余裕ができたら」「仕事が決まったら」「いつか返す」では、条件が人によって違って見えます。期限を決めにくいなら、「2027年3月31日まで」「毎月1万円ずつ」のように、今の時点で現実的なルールを決める方が管理しやすくなります。
⚠️ 借用書があれば、絶対にお金を取り戻せる?
いいえ。借用書は「約束の証拠」にはなりますが、返済そのものを保証するものではありません。借主がお金を持っていなければ、紙があるだけで自動的に口座から回収できるわけではありません。
高額なお金を貸すなど、「返してもらえなかったとき」まで備えたい場合には、公正証書を検討する方法があります。日本公証人連合会によると、金銭の支払いについて、一定額の支払合意と「支払わなければ直ちに強制執行に服する」という内容を盛り込んだ公正証書は、裁判手続きを経ずに強制執行へ進める場合があります。借用書と公正証書は、同じものではありません。
🚫 借用書でありがちなNG例
NG1:「10万円くらい借りました」
→ 金額を確定する。
NG2:「余裕ができたら返します」
→ 返済日を決める。
NG3:「毎月返します」
→ 毎月いくら、何日までかを書く。
NG4:利息について何も決めていない
→ 無利息なのか、年何%なのかを明記する。
NG5:家族だから紙だけ作って、返済しない
→ 家族間では実際の返済状況も重要。
NG6:借用書を作れば回収は確実だと思う
→ 借用書は証拠。返済能力まで作ってくれる書類ではない。
✅ 借用書を書く前の5分チェック
- 借りる金額は1円単位まで決まっている
- お金を渡した日が分かる
- 返済期限を具体的な日付で決めた
- 一括か分割かを決めた
- 利息あり・なしを決めた
- 紙の借用書なら必要な収入印紙を確認した
- 家族間なら、返済を実際に記録できる方法にした
全部決まったら、借用書に落とし込みます。
📌 まとめ|借用書は「誰が・いくら・いつまでに返すか」が分かればぐっと強くなる
借用書は難しい契約書に見えますが、最初に考えることはシンプルです。誰が、誰から、いくら借りて、いつまでに、どう返すか。ここを曖昧にしないこと。さらに、利息、分割返済の金額と日付、紙なら収入印紙、家族間なら実際の返済記録まで確認すると、後の「言った・言わない」をかなり減らせます。
そして金額が大きい場合や、担保・保証人を付ける場合、返済がすでに止まっている場合には、テンプレートだけで無理に済ませず、専門家への確認も検討しましょう。借用書は、相手を疑う紙ではありません。貸す人と借りる人が、同じ約束を見ておくための紙です。
❓ よくある質問
借用書は手書きじゃないとダメですか?
全文を手書きにする必要はありません。パソコンで内容を作り、当事者が内容を確認して署名する形でも条件を整理できます。後から作成者や内容について争いになりにくい形で残すことが大切です。
家族や親子でも借用書は必要ですか?
作っておくと、貸したのか贈与したのか、返済条件は何だったのかを整理できます。ただし、借用書だけ作って実際に返済しない場合などは、税務上も「本当の貸し借り」と認められるとは限りません。
借用書に収入印紙はいくら必要ですか?
紙で作る金銭借用証書は、記載金額に応じて印紙税がかかります。1万円未満は非課税、1万円以上10万円以下は200円、10万円超50万円以下は400円、50万円超100万円以下は1,000円です。
借用書に利息なしと書いてもいいですか?
一般の個人間で無利息とするなら、「本件貸付は無利息とする」のように条件を明確にします。ただし親族間の高額な貸し借りでは、無利息による経済的利益が贈与として扱われる場合があるため、税務上の確認も必要です。
借用書さえあれば返済してもらえますか?
借用書は貸し借りや返済条件を示す証拠になりますが、回収を保証するものではありません。高額の貸し借りで強制執行まで備えたい場合は、公正証書を検討する方法があります。
📚 公式一次資料
- 法務省「消費貸借契約に関するルールの見直し」 法務省資料
- 国税庁 No.7101「消費貸借に関する契約書」 国税庁資料
- 国税庁 No.4420「親から金銭を借りた場合」 国税庁資料
- 金融庁「貸金業法のキホン」 金融庁資料
- 日本公証人連合会「金銭消費貸借」 日本公証人連合会資料
- 国税庁 No.7129「印紙税の納付方法」 国税庁資料
情報確認日:2026年9月23日。印紙税額、利息制限法上の上限、親族間の贈与税の取扱いは、利用時・記事更新時に最新の公式情報を確認してください。
